トライアンフのタペット(リフター)には幾つかの種類がありますが60年代中期からのEX用にはフェイス面に小さい穴が加工されています。この穴はケースからEXタペットブロックにオイルが圧送されタペットのステム部の穴から入りタペット及びカムのフェイス面を潤滑するといった狙いなのですがこの穴をきっかけにトラブルが起こっている物も少なくないような感があります。
タペットにオイルを送るこの方式は81年以降は廃止されフェイス面の穴も無くなるという事実からもメーカーサイドが「結果、あまり良くなかった」と言う結論に達していたのだと考えております。
これらは今回の修理依頼の1台分のタペット、計4本。全て1.1/8 "の曲率で通称Rタイプと言うヤツ
画像だと少々分かり難いのですが
ひど過ぎる。荒れに荒れちゃってますね。これに対して穴の開いていないIN側は割と普通なのが謎。
面が荒れる原因はタペットブロックがカムに対してナナメってセットされていたりバルブスプリングの加重が強過ぎだったりと色々ありますがこの穴にも何かしらの原因が有ると思います。
あとはエンジンにオイルが合っていないとか。粘度だけではなく昨今はAPI規格の変動も見逃せない事柄。
一概には言えませんが当方ではSLまでを推奨とします。触媒を長持ちさせるような内容のオイルはNGかもね。