この度オーナーが代わり車体周りをレーサーから完全なる公道仕様に戻しつつあるトライトン。
思えば2009年のデビュー以来一度もエンジンを開ける事も無く約5年間よく戦ってくれました。
前オーナーは今期から3気筒に乗り換え、更なる未知の次元に突入します。
元レーサーなのでワイヤリングが沢山。実は昨年ギアボックス上部マウントにクラックが入りおまけにオルタネーターのキー溝もブっ飛びましたので新オーナーに渡る前に修理をせねばならんのです。
過去に自らが組んだレーシングエンジンを5年間戦った後に開けるという行為に少々興奮します。
あのときのあの解釈でああいう具合に組んだものが果たして良かったのだろうか?とか中身は既にもうエライこっちゃ状態になっているんではなかろうか?とか。スプリントレースを得意とするトラには過酷とも言えるFISCOの約1.5キロのストレートを全開で走り続けたこのエンジン、いよいよ初降ろしとなります。
あ~とかウ~とか唸りながらプライマリーサイド、オイルタンク、ギアボックスを車体から撤去。簡単に書いてますが純正バイクと違いワンオフ部品が物凄く多いのでここまでの作業で軽く半日掛かってます。
問題のギアボックスマウント上部。画像では判り難いですがしっかりとクラックが。終了。お疲れ様でした。
降ろす時に少しでも軽くする為にエンジン上部を分解。内部はビックリするくらいにキレイ。やはり良質かつマッチングの良いオイルを使用し定期的に交換されていた個体は過去の経験から言わせてもらうとこういう所で差が出ると言えます。再使用出来るパーツの数が圧倒的に多いので結果O/H時に掛るお金がその分減るという事です。
反面、○ブ○ックとか¥500/1Lぐらいのセコ~いオイル使用では内部がもうほぼ全滅だったりしているのを過去に何基か見ました。そこらへんは全てオイルをケチったオーナーの責任ですのでこちらとしてはまぁ知ったこっちゃ無いのですがね。
何故だか今まで英車界で伝説とされてきたアマリーに関しては数年前からもう既に使用しておりません。
夕方になりましたがなんとか本日中に降ろせました。
エンジンスタンドにセットし本日の作業は終了。ここから先は企業秘密ですので内部の公開は無しで。
さっさと分解してキー溝を復活の為、クランクを外注に出すとします。